「疲れがとれない」「寝てもスッキリしない」「全身重だるくやる気が起きない」などの症状が、日頃から感じている方も多いのではないでしょうか?
「疲れ」「倦怠感」についてご紹介します。
「倦怠」とは
倦=疲労、疲倦
怠=怠惰
疲れが溜まっている状態や疲労感のこと。
ご自身の気持ち、やる気だけではどうしようもない倦怠感って皆さん経験があると思います。
疲れ、倦怠感は「ただの疲れ」ではないこともあるので注意が必要です・・・
あらゆる疾患や病態により、「全身の倦怠感全」がみられる事もあります。
・肝疾患(ウイルス性肝炎,肝硬変など)
・内分泌疾患(甲状腺機能異常など)
・代謝性疾患(糖尿病など)
・慢性感染症(結核、梅毒、寄生虫感染など)
・栄養障害(ミネラル、ビタミン不足など)
・悪性腫瘍
・低血圧
・精神疾患(不安神経症,うつ状態など)
・その他炎症性疾患
などなど・・
長期間(3~4か月以上)にわたる倦怠感は上記のような注意が必要です。
また、半年以上の著しい全身倦怠感を主症状とし、微熱、咽頭痛、筋肉痛などの風邪様の症状を伴うものの、検査所見にはほとんど異常を 認めない状態は、慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)とよばれています。
慢性疲労症候群 (CFS)には、種々の診断基準が提唱されており、特に重症の CFS 患者では、中脳や視床に炎症が存在するとの報告もみられています。
しかし、その原因はいまだ不明であり、発症にはウイルス感染や神経内分泌系、免疫系などの複合的な要因が関与していると考えられています。
東洋医学からみる倦怠
倦怠が起こる原因として
- 病後や産後で、気力体力が回復していない状態
- 暴飲暴食により胃腸が弱り、水分代謝が滞っている状態
- 加齢や性生活の乱れにより、精気を消耗している状態
- 過度の抑うつ・精神疲労で心労が溜まっている状態
倦怠のタイプ
①気力・体力不足タイプ
長引く病気や産後などで、全身の気血を失った状態。
「気」は身体のエネルギー源であり、「血」と一緒に全身を巡ります。
気血の両方が不足している状態は、全身にエネルギーが巡らず倦怠感が生まれてしまいます。
・じっとりした汗をかく
・顔色や、唇、爪の色が悪い
・疲れているが、眠れない時もある
・立ちくらみやめまいなどがある
このタイプの方は「気」「血」を補う生活習慣が大切。
気血が不足しがちな方は、胃腸の機能も弱ってくる事が多い。
胃に負担がかからないようになるべくよく噛んで食べて、気血を補う食べ物を。
②胃腸機能低下し水分代謝低下タイプ
慢性的な暴飲暴食や運動不足により、代謝機能が低下し、身体に余計な水分が溜まった状態。
身体に余計な水分が溜まった状態は、体もとても重たくだるく感じます。
・運動不足
・雨の日は悪化しやすい
・甘いもの、脂っこいもの脂っこいもの、お酒を好む
アルコール、冷たい飲み物、油の多い食事はなるべく避ける。
代謝を上げる為に、軽めの運動が大切。
③エネルギー不足タイプ
加齢や病後、産後などに出てくる倦怠です。
①の「気血不足」のタイプと同じように、エネルギーが不足した状態ですが、こちらは「気血」ではなく、「腎精」が不足して起こるもの。
エネルギーでも、この腎精は生まれた時に両親から授かったエネルギーであり、成長や生殖など、生命維持に大きく関わるエネルギーとも言えます。
・寝汗をかく
・体格が小柄
・腰や膝の重だるさが強い
睡眠をしっかりとる。
腰周りを温め、冷やさないようにする。
性生活を乱れないようにする。
④精神疲労・情緒不安定タイプ
長期にわたるストレスや思い悩みなどにより、抑うつ状態、精神疲労、情緒の変化によって突然起こる脱力感などを伴います。
他のタイプと少し違い、精神状態が大きく影響します。
・夢を多く見て、朝スッキリしない。
・日頃から鬱々した気分。何にでも考え過ぎてしまう。
・普段から鬱々したり、精神的な疲労を感じやすい。
・症状が情緒によって変化する。
鍼灸や漢方などもおすすめです。
当院で治療方法は?
問診やお身体の状態、ツボや筋肉の張りなどを確認し、上記のタイプを見極めたうえで適切な経穴(ツボ)に鍼とお灸をします。
基本的に症状に合わせて刺激の強さは調整致しますが、無理な強い刺激ではないのでご安心下さい。
私生活での注意点や改善点等、必要に応じてお伝えしております。