こんにちは!
武蔵小杉はりきゅうここわの阿部です(^O^)
やはり今年の夏も暑いですね(汗)
みなさま体調は崩されていませんか?
今回は顔面部に痛みが出た方の症例を紹介します。
70代男性 デスクワーク
主訴 顔面部の痛み(左の頬や左顎のあたり)
【症状】
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- 歯磨きで歯茎や顎に痛みが出る
- 髭剃りの刺激でも顎に痛みが出る
- 食事中も噛む刺激で痛みが出る
- 冷たい飲み物を飲むと沁みて痛い
【検査/所見】
・左奥歯が痛かみで口腔外科を受診。異常なし
・画像診断で「三叉神経が圧迫されている」と診断
・寒冷刺激により痛みの悪化
・顔の摩擦や圧迫で悪化
・顔の筋肉(表情筋)が動かしにくいなどの運動麻痺といった神経所見はなし
【考察/鑑別】
・手先、足先といった末端に常に冷えがあり
・ひどい頭痛、めまい、吐き気を伴う中枢神経系の所見はなし
・痛みは発作性で、ピリッとした痛みが10秒ほど続く
・前歯に電動歯ブラシを当てると振動で顎まで痛みが響く
上記のことから、中枢神経系や顔面神経の問題ではなく、三叉神経による顔面部の痛みと推測しました。
【顔面神経痛ではないの?】
顔面部に痛みがあると「顔面神経痛なのかな?」と思い浮かべる方もいると思いますが、実は顔面神経が司っているのは【舌の前2/3の味覚】と【表情筋の運動】なので、顔面部の痛みは顔面神経により感じているわけではありません。
顔面部に起こる痛みなどの感覚は三叉神経(さんさしんけい)が支配しています。
三叉神経は【歯/口腔粘膜/顔面/頭皮の感覚】と【嚥下】を司っているので、顔面部の痛みは正しくは三叉神経痛と言います。
また、三叉神経が司っているのは舌の前2/3の感覚なので、これは触覚、痛覚、温度覚のことを指します。
舌の後1/3の味覚を司っているのは舌咽神経(ぜついんしんけい)なので、味覚に問題がある場合は、顔面神経か舌咽神経に原因があると考えられます。
【三叉神経とは?】
三叉神経は、脳から出た後に3つに枝分かれします。
3つに分かれた神経は眼神経、上顎神経、下顎神経と呼ばれます。
第Ⅰ枝 眼神経(がんしんけい)
主に頭頂部~鼻部の感覚を支配
第Ⅱ枝 上顎神経(じょうがくしんけい)
主に頬部~上顎部の感覚を支配
第Ⅲ枝 下顎神経(かがくしんけい)
主に下顎~側頭部の感覚を支配
上記は3つに分かれた三叉神経が知覚(感覚)を支配しているエリアの表記です。
三叉神経は嚥下に含まれる咀嚼運動を司っています。
嚥下・・・口から食道を経て胃に食物や水分を送り込む一連の運動のこと。
咀嚼や咽頭反射などは、嚥下に含まれる重要なプロセスです。
【東洋医学でみる顔面部の痛み】
東洋医学では「痺症(ひしょう)」と言い、痺とは詰まって通じないことを意味します。
外邪が体内に侵入すると経絡を詰まらせ、気や血の巡りが悪くなり、皮膚や筋肉、骨や関節に疼痛や重だるさ、痺れなどが起こると考えられています。
外邪は6種類ありますが、その中でも痺症を引き起こすと言われているのは風邪(ふうじゃ)/寒邪(かんじゃ)/湿邪(しつじゃ)です。
今回のケースでは「冷たい飲み物を飲むと悪化」「末端冷え性で身体が冷えている」ということを踏まえると、寒邪が原因だったと思われます。
【三叉神経と自律神経の関係】
ストレスや疲労、睡眠不足などで自律神経の交感神経が優位になると、痛みの閾値が下がってしまい、神経が過敏になり痛みを感じやすくなります。
また、顔面の痛みにより心拍数や血圧の上昇、発汗や不安感など症状が出やすくなります。
交感神経が過剰に働くと、筋肉が緊張してしまい肩こりが起きやすくなります。
特に首まわりには自律神経と関りが深い星状神経節や迷走神経の通り道があるため、首肩こりは自律神経に影響してしまいます。
このように、自律神経の乱れ→首肩こり→自律神経の乱れ→首肩こり…
といった悪循環が続いてしまいます。
【治療の流れ】
今回の鍼灸治療では、
・自律神経を整えること
・冷えに関係する経穴
・三叉神経の興奮を抑えるように、神経の走行を意識した経穴
・痛みにより過緊張した筋肉を緩める
上記のことを意識しながら治療を進めていきました。
また、患部への長時間の圧迫は良くないので、うつ伏せ時のフェイス枕による圧迫ダメージを極力少なくするため、うつ伏せの施術時間は極力短くなるよう行いました。
もし、ちょっとでも「顔に痛みがあるな」とお悩みでしたら、お気軽にご相談ください<(_ _)>
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武蔵小杉はりきゅうここわ
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