こんにちは!
武蔵小杉はりきゅうここわの阿部です(^O^)
10月に入り、少しずつ秋らしくなってきましたね♪
今年の夏もだいぶ暑く、お恥ずかしながら私も熱中症になっていました(^^;
酷暑のせいか、今年は身体の脱水状態による痺れやダルさを訴える方が多かった印象です。
今回はその中の1つをご紹介いたします。

50代 男性 飲食業
主訴 両手、両足の指を同時につる、ダルさを感じる
【症状】
-
- 4日前から左右の手指(屈筋群)、左右の足の指(屈筋群)を同時につるように
- 箸やペンが持ちにくい
【所見】
・病院での検査は異常なし
・頚椎や腰椎の動きによる増悪は無し
・ピリピリ、ジンジン、脱力などの末梢神経症状は無し
・胸郭出口症候群の検査、手根管症候群の検査は陰性
・足背動脈の拍動OK
【その他の関係因子】
・両手、両足の末端に冷えがある
・飲食店勤務のため飲酒機会が多く、脱水状態であった
・症状が発症する前日も屋外で野球観戦をしながらビールを飲んでいた
・ヘバーデン結節の既往あり
【増悪因子】
・就寝時に発症が多い
・冷たい食材に触れる時や包丁を構える姿勢
【緩解因子】
・お風呂で温める
【考察】
・つるときは両手、両足同時
・末梢神経症状の検査は異常なし
・冷えにより増悪
・普段から飲酒過多。発症の前日はいつもより飲酒量多かった。
上記のことから、脱水と冷えによる痙攣ではないかと考えました。
【痙攣(つる/こむら返り)の原因は?】
筋肉が自分の意思とは関係なく急激に収縮して強い痛みを伴う状態を言います。
主な原因は、
・電解質バランスの乱れ(神経や筋肉を興奮させる)
・脱水(電解質濃度変化し、痙攣しやすくなる)
・血流障害(筋が酸素や栄養不足になる)
・過度の筋疲労(神経が興奮し、痙攣しやすくなる)
・妊娠や加齢(ホルモン変化により、血流の変化、血管硬化、筋量減少など)
他にも、直接的な原因にはなりませんが「冷え」はつる/こむら返りを誘因します。
【アルコール分解による脱水】
アルコールは肝臓で分解されますが、その過程で有害なアセトアルデヒドが生じます。
アセトアルデヒドは、血管拡張や炎症反応を引き起こし、水分バランスの乱れや頭痛に関与します。
また、アルコールは抗利尿ホルモンを抑えて尿を増やすため、身体は脱水傾向になります。
以上のことから、アルコールを飲むと「喉が渇く」「翌朝の二日酔いで頭が痛い」などの脱水症状がおきやすくなります。
【東洋医学で診るつる/こむら返り】
東洋医学では、つる/こむら返りを「筋が栄養されない」「冷えや津液不足で潤いがない」状態のサインとして診ます。
タイプ別に分類すると、
①血虚:血流不足の状態で、夜間・慢性的に起こることが多い。
②津液不足:いわゆる水分不足の状態で、運動後や脱水時に起こることが多い。
③寒邪:いわゆる冷えている状態で、寒い環境で起こることが多い。
④肝腎不足:肝と腎が弱っている状態で、高齢者や慢性的に疲労を感じてる人に起こることが多い。
今回のケースでは、津液不足と寒邪の複合パターンで発症しているのではないかと考えました。
【治療のポイント/経過】
病院でも「脱水」が原因と診断されており、水分代謝に効く漢方を処方されていた。
そのおかげか、来院時は症状が少し緩和し始めている状態だったので、鍼灸治療で漢方の効き目をより引き上げるよう、相乗効果を狙って施術をする。
他にも、しばらくはいつも以上に積極的に経口補水液やスポーツドリンクなどで水分補給するよう意識してもらう。
その後症状は落ち着いたようで、2週間後に来院された時には症状改善。
喉が渇いていなくても、発汗や排尿、わずかですが呼吸でも水分はどんどん失われていきます。
渇いた感覚が無くてもこまめに水分補給をしていきましょう♪
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武蔵小杉はりきゅうここわ

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