こんにちは、武蔵小杉はりきゅうここわ大屋です(*^^*)
本日は、ベンチプレスの練習中に起きた背中の痛みについての治療例をご紹介していきます。
【受傷機序】
・ベンチプレスとは・・・パワーリフティング競技の中の一種で、ベンチ台に仰向けで寝た状態からバーベルを持ち上げる、というもの
・その練習中に左上背部に痛みが出る(肩甲骨の内側~やや下)
・最近デスクワークが多かった(普段はデスクワークはなく動いていることが多い)
・トレーニング中に受傷しそこから3.4時間で来院したが痛みは変わらず
→患部に熱感はなし/やや圧痛あり/動作時痛が顕著/深い呼吸でも響く痛み
ちなみに…ベンチプレスでのフォームはブリッチと言うそうですが
ブリッチ姿勢とは、
だいたい↑こんな感じですね。高重量を持つとなるともう少し変わってきます。
良い時と悪い時のフォーム動画もみせていただき
ご本人の中での動きの悪さや本当はこう動かしたい、なども伺い
今回なぜ痛みがでてしまったのか、どこが原因なのかを考察しました。
痛みの出る動き
◎身体を反らす動き
⇒立位でも座位でも痛い、反らせない
・背面の筋肉の微細な損傷がある
・前面(腹筋群、胸筋など)の筋肉の過緊張がある
などの影響で反らせなくなっているのではないかと考えました。
◎体をひねった時/座位でのひねりの可動域の低下
体幹の回旋には胸椎の動きが大きく関与します。
体幹の回旋動作に関しては
立った状態と座った状態での負荷がかかる部分が少し変わりますので
今回はどちらの動きも確認しました。
すると、どちらも痛みは出るものの、座位での動きの制限が目立ちました。
⇒胸椎や肋骨の動きの悪さ、そこに付着する筋肉の過緊張がある
と考えました。
(立位では股関節や膝関節も関与するため上半身が動かなくても多少回旋できます。)
◎深呼吸
呼吸に関与する肋骨や横隔膜は胸椎についています。
呼吸により脊柱がかすかに動き痛みが出たものと考えられます。
(呼吸・咳・くしゃみでの痛みがもっとひどい場合、叩打痛がある場合は肋骨骨折も疑う)
今回なぜ痛めてしまったのか
普段行わないデスクワークの姿勢が続いたことにより
胸椎や股関節まわりの動きが悪くなっていた可能性があります。
そしてそれらの動きの制限があるなかで
身体の構造的にとても負荷のあるブリッチ姿勢を取った際に
バーベルの重さ(当時100キロ前後)が分散できずに
胸椎へ強力な力が働き今回受傷したのではないかと考えました。
治療ポイント
・患部の鎮痛/緊張緩和のための鍼・灸
・適切なフォームができるように解剖学等に基づき他関節の可動域を広げる
以上を目的として
上部腰椎・上部胸椎・後頭下筋群・股関節に関する筋肉(腰周り、臀部、大腿部など)の緊張緩和
など施術していきました。
治療経過
うつ伏せで施術後、仰向けに。
仰向けの状態でお腹や股関節まわりも施術すると
徐々に痛みが減り呼吸しやすくなったとのことでした。
施術後には可動域の改善、痛みの減少があり、徐々に回復、その後の練習でも再発はしていないそうです。
この方は、一般の方と比べると筋肉量も多く関節の柔軟性もあるため
このような症状として体に現れたと考えられます。
では実際、
運動習慣が無い方・筋肉量が少ない方・身体のケアがあまりできていない方だとどうでしょうか。
長時間のデスクワークにより股関節や胸椎が硬くなることで
胸椎(背中)は丸くなりいわゆる猫背姿勢となります。
(肩甲骨が上がり、外側に開いた状態)
それにより、
・肩周りの筋肉の緊張(肩こり、首こり)
・肩甲骨の内側にある筋肉の筋力低下
・深部の肋間筋などの動きが制限されることで呼吸に影響
(呼吸補助筋である僧帽筋や胸鎖乳突筋の過緊張へつながる、これもまた首肩こりの原因)
以上のような状態になり
さらに、背骨の重心を保つために頭が前に出てしまう事が多く
それにより頭部への血流も阻害され、頭痛・眼精疲労・その他自律神経症状が出ることが多いです。
その場合、肩甲骨を寄せればいいのでは?胸を張ればいいのでは?と思いますよね。
その意識はとても大事なのですが、実際やってみると
胸椎が硬いままだと腰を反って胸を開くという代償運動が入る方が多くみられます。
⇒時間が経つと戻ってしまったり、かえって腰痛の原因に。
まずは土台の股関節や背骨の柔軟性を出し
正しいポジションを体に覚えさせることが必要かもしれません。
余談ですが
普段デスクワークをしない方が、1日数時間、それを数日連続して行うだけで
こんなにもすぐに体に現れてしまうのだと
患者様も、私も、改めて衝撃を受け、とても勉強になりました。
普段デスクワークされている方は、
上記のような負担がほぼ毎日長時間、体にかかっているということです。
デスクワーク恐ろしや、、、(*_*)
もちろん、職業や普段の姿勢によって、お身体の負担になる場所は変わります。
そのため治療ポイントやストレッチするところも変わりますので
自分にはどんなストレッチがいい?どんなやり方がいい?などのお悩みがありましたら
いつでもお気軽にご相談ください!最善の提案をさせて頂きます!
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