皆さん、こんにちは!武蔵小杉はりきゅうここわの長嶋です。
今回は、
「急に左の人差し指が痺れ出し、腕や背中へと神経痛が広がったものの、病院で脊柱管狭窄症と診断・治療を受けてもなかなか改善しなかった方」の改善事例をご紹介します。

患者様情報
● 年代・性別: 60代女性
● ご職業 : SE(システムエンジニア・長時間のデスクワーク)
● 主訴 : 左示指(人差し指)の痺れ、左上肢の神経痛、背中の痛み
経過
4か月前、自宅の階段を下りている際に、急に左示指の痺れが出現。数日後には腕や肩甲骨のあたりにも筋肉痛のような痛みが広がるようになりました。
整形外科を受診し、脊柱管狭窄症と診断されて血流改善薬や末梢神経障害性疼痛治療薬の処方を受けるも、改善が見られません。
さらに、痛みを避けるための疼痛回避姿勢と、長時間の仕事姿勢が同じであったため、徐々に猫背も強くなってしまいました。
「母の様子が心配で……」と、娘様からのご予約をきっかけにご来院いただきました。
鑑別と所見
初診時の問診および検査では、以下のような所見が確認されました。
- ● 痺れと痛みの特徴:
○ 左示指の痺れは常時持続。
○ 肩甲骨や上肢の神経痛は、猫背の姿勢をとると一時的に緩和するが、PC作業などで正面を向くと増悪する。 - ● 日常生活への影響:
○ 利き手が左であるため、来院時の問診票記入にも時間を要する状態。 - ● 頸部の可動域と誘発テスト:
○ 首を動かす際、スタートポジションからすでにやや屈曲位(下を向いた状態)になっており、正面を向くだけで症状が増悪。
○ 頸部の伸展(上を向く)、左回旋(左を向く)、左側屈(左に倒す)のいずれでも症状が増悪。 - ● 姿勢と神経学的所見:
○ 疼痛回避姿勢により、軽度屈曲位・猫背・巻き肩が顕著。
○ 整形外科で良姿勢の指導を受けるも、姿勢をとること自体で症状が増悪するため実践が困難な状態。
○ 徒手検査により、末梢神経障害に伴う筋力低下所見を確認。

病態の考察
今回のケースでは、次のような悪循環が生じていたと考えられます。
- 日常生活の些細な動作でも痛みが増悪するため、無意識に疼痛回避姿勢が強まった。
- その疼痛回避姿勢と、お仕事中のデスクワーク姿勢が一致していたため、神経の絞扼(しぼく)や血流不良の状態が慢性化した。
- その結果、投薬治療を行っていても神経の圧迫や血行不良が改善されず、症状が長期化していた。
これらを踏まえ、当院では以下の3つの治療方針で施術を行いました。
治療方針
- 絞扼部の改善: 指、上肢、肩甲骨など、痺れや神経痛を引き起こしている神経の絞扼部位の解放
- 姿勢の改善: 症状をかばうことで悪化している不良姿勢(猫背・巻き肩・首の屈曲位)の調整
- 患部の血流改善: 鎮痛および末梢の血流促進による組織の回復
施術その後の経過
● 【初診】 施術後、他覚的に姿勢の改善が多少見られる。
● 【2回目】 前回施術の当日、久しぶりにまとまった睡眠がとれたとご報告を受ける。
● 【3回目】 肩甲骨および腕の神経痛が消失。首の伸展・左回旋・左側屈などの可動範囲はまだ狭く、動かした際の増悪はあるものの「動かせる範囲」が広がってきた。また、これまで効きにくかった末梢神経障害性疼痛治療薬の効果も感じられるようになる。
● 【4回目】 施術当日の夜、4月から続いていた示指の痺れが、わずかな時間ながら完全消失する瞬間が見られた。
● 【5回目】 自宅で枕を低めのものに変えたところ、姿勢不良が影響してか、示指の痺れだけでなく首から腕にかけた神経痛が一時的に再出現。
まとめ:痺れや神経痛でお悩みの方へ
鍼灸院へ来られてから改善を目指される方の経過期間は様々です。
「痛みが出てすぐ」にいらっしゃる方もいれば、「痛みや痺れが出てから数か月~1年経ってから」ようやくご相談される方も少なくありません。
末梢神経障害は、痛みや痺れ、温度感覚などの「知覚障害」だけでなく、反射機能の低下や筋力低下など「運動障害」を引き起こすことがあります。
症状が継続している時間(罹病期間)が長いほど、回復にもお時間がかかるケースが多くなります。
「病院で治療しているけれどなかなかスッキリしない」
「長引く痺れや神経痛に悩んでいる」
という方は、我慢なさらずに、まずは一度当院へご相談ください。
